2020年4月

個人事業主の社会保険制度について Vol.070

個人事業主は国民健康保険や国民年金に加入し、従業員を雇った場合には労災保険や雇用保険などの労働保険にも加入します。
今回は、個人事業主が加入する社会保険制度について簡単に説明します。

個人事業主と会社員の社会保険の違い

社会保険制度は、医療に関する保険、年金に関する保険、雇用に関する保険などがあります。
会社員は「健康保険」と「厚生年金」に加入していますが、個人事業主になったら「国民健康保険」と「国民年金」に切り替えて加入手続きをします。また、従業員を雇う場合は「労働保険」にも加入する必要があります。

医療に関する「健康保険」

会社員を退職し個人事業主になったら、「健康保険」から「国民健康保険」に切り替えます。
退職日の翌日から資格は喪失するので、14日以内に市区町村役場で「国民健康保険」の手続きを行ってください。

健康保険については、「健康保険とは Vol.042」にて詳細を説明していますのでご覧ください。

<国民健康保険>

  • 被用者保険に加入していない人が対象となる保険
  • 保険料は全額自己負担
  • 世帯主と家族の医療負担が三割になる
  • 保険者は市区町村などの自治体

<健康保険(被用者保険)>

  • 会社員(被用者)や事業者の為の保険
  • 毎月保険料は会社と折半になる
  • 本人およびその被扶養者の医療負担が三割になる
  • 個人事業主でも従業員が常時5人以上いる場合は加入

「年金」に関する保険

会社員を退職し個人事業主になったら、「厚生年金保険」から「国民年金」に切り替えます。
退職日の翌日から資格は喪失するので、14日以内に市区町村役場で「国民年金」の手続きを行ってください。

年金については、「年金とは Vol.030」にて詳細を説明していますのでご覧ください。

<国民年金>

  • 20歳以上60歳未満全ての人が加入
  • 保険料は全額自己負担
  • 支給額は加入期間に応じて決まる

<厚生年金保険>

  • 主に民間企業の労働者が加入
  • 国民年金に上乗せされて給付される
  • 個人事業主でも従業員が常時5人以上いる場合は加入

雇用に関する「労働保険」

従業員を雇う場合は労働保険にも加入しなければなりません。労働保険とは「労災保険」と「雇用保険」のことです。

<労災保険>

労災保険とは、労働者が仕事中または通勤中にケガや病気をしたり、死亡したときに保障してくれる保険です。労働者が安心して働くことができるように国が設置した制度です。正社員だけではなく、パート・アルバイトなど賃金を支給される方すべて人が対象となります。
保険料は全額事業主が負担するため、従業員の負担がありません。なので、1人でも労働者を雇っている会社は労災保険に加入する義務があります。

<雇用保険>

雇用保険とは、従業員が退職した後に失業保険や在職中の育児休業給付や介護休業給付などを受けるための保険です。以下の要件を満たす場合には、加入する義務があります。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用見込みがある

個人事業であっても条件に該当する人員を雇う場合は「雇用保険」への加入手続きが必要です。
従業員を一人でも雇えば「労災保険」、上記の要件を満たす人を雇えば「雇用保険」に加入する義務があるということを覚えておきましょう。

まとめ

従業員に対して、どのような制度で何のための保険かを理解することが重要です。雇用保険や労災保険の加入は義務であることを理解して、適切な加入手続きが取れるよう心がけまましょう。

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消費税の「原則課税」と「簡易課税」について Vol.069

消費税の納税額の計算には「原則課税」と「簡易課税」があり、原則の計算方法とは別に簡易課税の特例制度があります。事業者にとって消費税の納付額の計算はできるだけ負担をかけずに済ませたいものです。
今回は、原則課税と簡易課税について簡単に説明します。

原則課税

原則課税は、預かった消費税と払った消費税の差額を納付する実額計算です。原則的な方法のため、一般課税ともいわれます。仕入れや外注費のない業種は納税額が多くなる場合が多いです。
基準期間における課税売上高が5,000万円を超える事業者は「原則課税」で消費税を納めることになっています。
そのため課税売上と課税仕入等の正確な金額が必要で、帳簿と請求書の保存が必要になります。
課税売上高が5,000万円以下であれば「原則課税」か「簡易課税」を事業者が選ぶことができます。

簡易課税

簡易課税は、預かった消費税額に業種ごとに決められた「みなし仕入率」というものを使って納税額を計算します。個人事業主や中小事業者にとっては簡単な方法で消費税額の計算ができる制度のため、仕入時に支払った消費税を計算する必要がなく事務負担を軽減できます。
事前に「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要があります。

それぞれのメリットとデメリット

原則課税

消費税額=売上時に預かった消費税-仕入時に支払った消費税
原則課税による計算では、課税売上と課税仕入どちらも消費税額の計算に関係します。

メリット

  • 実際の仕入額よりみなし仕入れ額の方が小さい場合は、納める消費税額が少なくなる
  • 大規模な設備投資などをする場合には、課税仕入(仕入時に支払った消費税)が多くなるため消費税が還付される可能性がある

デメリット

  • 納税額の計算には、課税売上と課税仕入の帳簿と請求書の保存が必要になる
  • 計算が大変で手間がかかる

簡易課税

消費税額=売上時に預かった消費税-(売上時に預かった消費税×みなし仕入率)
簡易課税による計算では、課税売上に対する消費税額だけが計算に関係します。

メリット

  • 実際の仕入額よりみなし仕入れ額の方が大きい場合は、納める消費税額が少なくなる

デメリット

  • 簡易課税を選択すると2年間は変更することができない
  • 基準期間の課税売上が5,000万円以下の事業所のみ適用される
  • 事業年度が始まる前までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要がある

まとめ

消費税の納税額の計算は、課税売上高や状況によって異なる事が分かりました。「原則課税」と「簡易課税」のメリットとデメリットを把握をし、どちらが節税になるか検討してみてはいかがでしょうか。

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退職金について Vol.068

退職金の支払いは法律で義務化されているわけではありませんが、会社で退職金制度を設ける場合は、金額や計算方法、対象者などの詳細について就業規則に記載することが決まっています。 今回は「退職金」について簡単に説明します。

退職金とは

退職金とは、勤務先を退職することによって勤務先から支給される退職手当のことです。退職金は、退職一時金か企業年金、一時金と年金の両方の受け取り方があります。退職時に一括して受け取ると思う方が多いかもしれませんが、分割で受け取る方法もあるのです

<退時一金>

退職一時金は、退職金を一括で全額受け取ります。

<企業年金>

企業年金は、退職後に年3回、6回のように分割で受け取る方法です。

<一時金と年金の両方>

会社によっては退職一時金と企業年金を併用したり、選択したりすることも可能です。併用する場合は、退職金の一部だけを一時金として受け取り、残りを分割で受け取ることになります。

退職金共済とは

退職金共済とは、会社が外部で退職金を積み立て退職時にまとめて受け取る制度です。中小企業では、ポピュラーな「中小企業退職金共済」の退職金共済を利用しているようです。
退職金制度が無い会社も多くありますが、会社が退職金共済に加入している場合は退職金を受け取れます。

退職金にかかる税金

退職金の受け取り方には、上記のように一括で受け取る方法と分割で受け取る方法があることが分かりました。退職金も所得であることから非課税ではありません。なので額面金額をそのまま貰えない場合もあります。
退職所得(退職金)にかかる税金としては、所得税(復興特別所得税を含む)と住民税があります。また、受け取り方の違いにより課税される税金にも違いがあります。

<退職一時金で受け取った場合>

「退職所得控除」の適用を受けることができるため課税所得額を減少させることができます。

<年金として受け取った場合>

雑所得として年収が増加するため、課税所得額も増加することがあります。年齢や収入により課税対象額も変わってきます。
ただ、65歳以上の場合は控除額が大きくなるため、年金として受け取った場合も税の優遇があります。

まとめ

退職金とは、勤務先を退職するときに勤務先から支給される退職手当ですが、会社によっては退職金の支給条件に「勤続年数」を定めているため手当が出ない場合もあります。また、退職金には税金として所得税と住民税がかかり、年齢や収入によって課税対象額も変わる事が分りました。
会社側としてもしっかりと仕組みを理解しておくと良いでしょう。

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