2020年7月

会社員でも確定申告が必要な場合について Vol.84

個人事業主の確定申告については「青色申告とは Vol.031」「確定申告とは Vol.053」で説明しました。今回は「会社員でも確定申告が必要な場合について」簡単に説明していきます。

確定申告とは

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に発生した所得や経費から所得税を計算して税務署へ申告し、納税する手続きのことをいいます。
給与所得のある人は、会社で年末調整や源泉徴収をしているので基本的には確定申告をする必要はありません。

確定申告が必要な場合とは

会社員は、会社で年末調整や源泉徴収をしているので自分自身で確定申告を行う必要はありませんが、確定申告を行なう必要がある場合を下記で取り上げてみました。

<副収入が20万円を超える場合>

副収入で給与所得以外の収入があり年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。しかし、年間20万円を超えなければ確定申告は不要です。

<給与所得が2,000万円を超える場合>

年間の給与収入が2,000万円を超える場合は、年末調整が行われないので確定申告をしなければなりません。

<2カ所以上から給与をもらっている場合>

2か所以上の会社から給与をもらっていて、更に年末調整が行われない会社の収入が20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。

<不動産(土地、建物)などの所得があった場合>

不動産(土地、建物)を売却した場合などの所得があった人は譲渡所得となるので、確定申告をする必要があります。

<公的年金を受け取っている場合>

公的年金の受給者は、確定申告の必要があります。しかし、公的年金の源泉徴収を受けていて、更に年額400万円以下、他の所得が20万円を超えなければ確定申告は不要です。

※その他、「贈与を受けた場合」なども確定申告を必要とする場合があります。

確定申告によって税金が戻る場合

確定申告を行う必要がない人でも、申告することで税金が戻ってくる場合があります。
医療費控除、寄附金控除、雑損控除など、下記に当てはまる場合には、確定申告をした方が良いでしょう。

  • 10万円を超える医療費がかかった人
  • 住宅ローンを組んだ人
  • 配偶者と離婚、死別した人
  • 災難や盗難に遭った人
  • ふるさと納税の寄付金控除などを受けたい人

その他、「年の途中で退職し、再就職していない場合」は、生命保険料や社会保険料などの支払いで還付が受けられるため確定申告をした方が良いでしょう。

まとめ

確定申告を行う必要がない人でも、申告することで税金が戻ってくる場合もあります。
自分が確定申告をした方が良いのか迷った場合には、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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個人事業主の「住民税」について Vol.83

「個人事業主が支払う税金について Vol.078」の中で、住民税について簡単に説明しました。今回は、個人事業主の「住民税」についてもう少し詳しく説明していきます。

住民税とは

住民税とは、都道府県や市区町村などの自治体に納める税金で、所得に応じて課される税金です。
所得税の確定申告をしている場合は、住民税の申告を行う必要がなく、税金の金額は各自治体で計算されて納付通知書が届きます。

住民税の「普通徴収」と「特別徴収」

住民税の納付方法には、「普通徴収」と「特別徴収」という2つの方法があります。個人事業主などは「普通徴収」で、会社員は「特別徴収」です。

<普通徴収>

住民税の納税通知書が納税者に交付されることで賦課し徴収することをいいます。
納税者から提出された申告書に基づいて住民税額を計算し、納期や納付額などを納税通知書に記載して納税者に交付します。納税者はこの納税通知書にしたがって、年4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分けて市区町村に納付します。

<特別徴収>

住民税の徴収について、会社など(特別徴収義務者)が納税者から税金を徴収して納付することをいいます。
会社員などの給与所得者の住民税は、市区町村で計算した住民税額を会社(特別徴収義務者)に通知します。通知を受けた給与の支払者は、毎月の給与の支払いの際に住民税額を天引きして市区町村に納付します。毎年6月から翌年5月までの12回に分けて納付します。

住民税の金額

住民税は、通知された金額を納税するので自分で計算をする必要はありませんが、「均等割」に「所得割」 を加えた合計額が「住民税の金額」になっています。

<均等割>

所得金額に関わらず定額で課税される税額です。平等の税額が課せられます。
・市区町村民税3,000円
・都道府県民税1,000円
2014~2023年度は復興財源確保の税制措置として500円ずつ加算され、合計5,000円になっています。

<所得割>

前年の所得の額に応じて課税される税額で、所得によって金額が変わります。
確定申告の際に計算した課税所得金額に税率をかけて計算します。
・市区町村民税が6%
・都道府県民税が4%
計算式
(所得金額 – 所得控除額)×10% – 税額控除額 = 所得割の税額

※「均等割」「所得割」の市区町村民税、都道府県民税は、自治体よって独自の税額を設けていますのでご確認下さい。

まとめ

所得税の確定申告をしていれば、住民税の申告をする必要はありません。6月に 地方自治体から「住民税決定通知書」が届くので通知書に従って納税しましょう。
万が一、税金が支払えなくなった場合は「猶予制度」を利用できる可能性があります。猶予制度を利用する場合は、所轄の税務署に申請します。猶予を受けるには一定の条件を満たす必要がありますが、猶予期間中の1年間は、延滞税が軽減され必要に応じて分割で納税ができるようになります。
※現在、国税庁では新型コロナウイルス感染症の影響により、国税を一時に納付することが困難な方への猶予制度に関する質問や相談を専門に受け付けています。

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「個人事業税」について Vol.082

個人事業税については「個人事業主が支払う税金について Vol.078」で簡単に説明しました。今回は、「個人事業税」についてもう少し詳しく説明していきます。

個人事業税とは

個人事業税とは、個人事業主に課される税金で、指定された事業者のみ課税されます。
指定された業種に該当しない場合は、事業税を納める必要はありません。また、事業主控除として年290万円の控除が認められるので、事業所得が年間290万円までの個人事業主は支払う必要がありません。

70種類の法定業種

指定された事業者は、下記の70種類になります。税率は業種によって異なりますが3~5%で、多くの業種は税率が5%になります。
※税率は、都道府県ごとに違い、業種によって異なります。下記は、東京都の場合(東京都主税局)

区分税率            事業の種類
第1種事業5%物品販売業/保険業/金銭貸付業/物品貸付業/不動産貸付業/製造業/電気供給業/土石採取業/電気通信事業/運送業/運送取扱業/船舶定係場業/倉庫業/駐車場業/請負業/印刷業/出版業/写真業/席貸業/旅館業/料理店業/飲食店業/周旋業/代理業/仲立業/問屋業/両替業/公衆浴場業(むし風呂等)/演劇興行業/遊技場業/遊覧所業/商品取引業/不動産売買業/広告業/興信所業/案内業/冠婚葬祭業(37業種)
第2種事業4%畜産業/水産業/薪炭製造業
(3業種)
第3種事業5%
3%
<5% >医業/歯科医業/薬剤師業/獣医業/弁護士業/司法書士業/行政書士業/公証人業 /設計監督者業/公衆浴場業(銭湯)/歯科医業/弁理士業/税理士業/公認会計士業/計理士業/社会保険労務士業/コンサルタント業/設計監督者業/不動産鑑定業/デザイン業/諸芸師匠業/理容業/美容業/クリーニング業/公衆浴場業(銭湯)/歯科衛生士業/歯科技工士業/測量士業/土地家屋調査士業/海事代理士業/ 印刷製版業
<3% >あんま/マッサージ又は指圧/はり/きゅう/柔道整復/その他の医業に類する事業/装蹄師業
(30業種)

個人事業税の計算方法との納税方法

<計算方法>

個人事業税 = (収入-必要経費-各種控除) × 税率

厳密ではありませんが、簡単に表すと上記の式で算出できます。専従者がいる場合には、必要経費として一定額を控除できます。また、事業主控除は年290万円の控除が認められるので、事業所得が年間290万円までの個人事業主は課税されません。

<納税方法>

個人事業税は都道府県税になり、確定申告をしている場合は都道府県税事務所から 8月に納付通知が届きます。納付書をもとに8月と11月の2回に分けて納付します。

まとめ

個人事業税は、すべての個人事業主が納める必要はありませんが、多くの業種に課せられています。
「個人事業税」「所得税」「住民税」などは、確定申告によって納める税金の額が変わります。節税対策を検討しているようでしたら、専門家に一度相談してみてはいかがでしょうか。

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個人事業主の「消費税」について Vol.081

個人事業主は、預かった消費税を申告して税務署に納付しなければなりませんが納付義務が発生しない場合もあります。今回は「消費税」について簡単に説明していきます。

消費税とは

消費税とは、商品やサービスの消費に課税する税金で間接税のひとつです。消費税を負担するのは消費者で、事業者は消費税を申告し納付します。
個人事業主には、消費税の納付義務がある「課税事業者」と、納税義務を免除される「免税事業者」があります。
「課税事業者」「免税事業者」は、基準期間(課税期間の前々年度)と特定期間(前年の1月1日~6月30日)の課税売上高によって決まります。
※「課税売上高」とは、消費税のかかる売上のこと。

免税事業者

免税事業者とは、消費税を納付する義務がない事業者のことです。
以下の条件が当てはまる場合は免税事業者となります。

  • 開業してから1年目
  • 基準期間(課税期間の前々年度)と特定期間(前年の1月1日~6月30日)の課税売上高が1,000万円を超えていない

開業して間もない個人事業主は、消費税を税務署へ納付する義務がありません。開業2年目の場合、基準期間(課税期間の前々年度)の課税売上高は0ですが、特定期間(前年の1月1日~6月30日)に課税売上高が1,000万円を超えた場合は「課税事業者」になるので気を付けましょう。
2年以上事業運営をしている人でも、基準期間(課税期間の前々年度)の課税売上高が1,000万円を超えていない場合は免税となります。

課税事業者

課税事業者とは、消費税を納付する義務がある事業者のことです。
以下の条件が当てはまる場合は課税事業者となります 。

  • 基準期間(課税期間の前々年度)の課税売上高が1,000万円を超えている
  • 特定期間(前年の1月1日~6月30日)の課税売上高が1,000万円を超えている

課税売上高が1,000万円を超えるとその翌々年に課税事業者となり、消費税を納めなければなりません。その後、課税売上高が1,000万円以下に戻ってしまった場合には、また免税事業者に戻ります。
一度課税事業者になったとしても、前々年と前年上半期の課税売上高を基準にして、売上が落ち込んでしまったら免税事業者に戻ることもできるのです。

消費税の計算

事業者が支払う消費税は、「原則課税方式」または「簡易課税方式」のどちらかで計算します。どちらを選ぶかは自由ですが、節税効果を視野に入れて考慮した方が良いでしょう。

<原則課税方式>

原則課税方式は、年間を通じて預かった消費税から仕入れなどで支払った消費税を差し引いた金額で、基本的な計算方式です。

<簡易課税方式>

簡易課税方式は、売上で預かった消費税に事業の種類ごとに定める「みなし仕入率」をかけて、仕入等で支払った消費税を計算する計算方式です。
基準期間の課税売上高が5,000万円以下の場合に選択が可能な計算方法です。
「みなし仕入率」は、下記の6つの事業区分ごとに決められています。

事業区分該当する事業 みなし仕入率
第一種事業 卸売業 90%
第二種事業 小売業 80%
第三種事業 農業、林業、漁業、建築業、製造業など 70%
第四種事業 飲食店業など 60%
第五種事業 サービス業 50%
第六種事業 不動産業 40%

まとめ

消費税を申告して納税する場合は、「原則課税方式」か「簡易課税方式」のどちらかで計算することになります。状況に応じて選択をすれば節税につながる可能性もありますので、迷うようであれば専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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